こんにちは、ソムリエのミヤケです。
今回はワインの基本的な造り方について解説をします。まずはじめにワインはブドウを絞たジュースを発酵させて造ります。
ネットショップやお店で紹介されているワインは色々なタイプあり、種類が多すぎて好みのワインを選ぶのが大変。
しかしワインのタイプ別にそれぞれの特徴がわかれば、好みのワインを選びやすくなると思います。
ワインの造り方や特徴を知ることで好みのワインを探し、日々の食事をより楽しんで頂ければ嬉しいです。
では早速始めます。
ワインの造り方についての基礎知識
初めにワインの原料ですが、皮や梗が付いたままのブドウです。
ブドウの果皮には、発酵に欠かせない酵母が付着しているので、ブドウを果皮ごと絞ることで酵母も一緒にジュースに含まれます。
また梗や種からも香りや、渋味の成分が含まれています。
その酵母や成分を含んだブドウジュースが発酵して出来たアルコール飲料がワインです。
基本的なワインの製造プロセスは、以下の通りです。
1.ブドウの収穫 2.選別・除梗 3.破砕 4.発酵・熟成 5.圧搾 6.滓引き 7.ろ過 8.瓶詰め 9.熟成
そして製造方法によって【スティルワイン】【スパークリングワイン】【フォーティファイドワイン】【フレーバードワイン】4種類のタイプに分かれます。
一つずつ説明していきます。
【スティルワイン】の製造方法
スティルワインは白・赤・ロゼ・オレンジの発泡性のないワインで、色別に作る手順が違います。
ワインが醸造される過程では発泡性がありますが、完全に密閉された容器で発酵していないので、液体内に泡が残ることは少ないです。
フレッシュなワイン(ヴィンテージが若い)は微かに泡を感じることがあります。
白ワインの製造方法
白ワインの特徴は酸味と果実味です。
醸造方法の特徴としてはブドウを絞ったジュースと果皮の接触時間を短くし、渋みなどがワインにうつらないようにすることです。
しかしそれだけではワインに深みが出ないので、スキンコンタクトやシュールリーなどの、白ワイン独特の醸造方法を行うことがあります。
赤ワインの製造方法
赤ワインの特徴は酸味と果実味に加えて渋みという要素が加わります。
ですので赤ワインはブドウを絞ったジュースと一緒に、果皮を漬け込んで果皮の渋みをワインに移します。
ロゼワインの製造方法
ロゼワインの特徴は酸味と果実味とやさしい渋みになります。
絞ったジュースに果皮をつけ込んで程よく色がついたところで果皮を取り除きます。
当然その時に果皮の渋みがワインに移行します。
【スパークリングワイン】の製造方法
スパークリングワインはもともと秋に収穫したブドウを発酵させている途中に、酵母が活動できない温度まで気温が下がり発酵が止まってしまいました。
それが春になって気温が上がると、再び酵母が活動して発泡性のあるワインが出来たことが始まりです。
フランスのシャンパーニュ地方での出来事です。
スパークリングワインの製造方法の基本は以下の3つです。
1.シャンパーニュ方式「トラディショナル方式」 2.シャルマ方式 3.トランスファー方式
それぞれ解説していきます。
1シャンパーニュ方式の説明です。
スティルワインを瓶に詰めて、糖分と酵母を加え密閉した瓶の中で2次発酵を起こさせる方式です 。
シャンパン方式の特徴は泡のキメが細やかで繊細ということです。
2シャルマ方式
スティルワインを大きなタンクに密閉して、その中で2次発酵を起こさせるて作る方式です。
シャルマ方式の特徴はコスト抑え、シャンパーニュ方式のオリ抜きの手間を省いた、発泡性ワインを作れるということです。
3トランスファー方式
瓶の中で2次発酵させたワインを加圧下のタンク移して新しいボトルに詰め替える方式です。トランスファー方式の特徴はシャンパーニュ方式のオリ抜きを簡略化できるということです。
その他に発酵途中のワインを瓶に詰めて残りの発行を瓶内で行う方式と、ワインに炭酸ガスを吹き込む方式があります。
フォーティファイドワイン
フォーティファイドワインとはスペインのシェリーやポルトガルのポートワイン、マデイラワイン イタリアのマルサラなどがありますまたフランスのバンドナチュールやヴァンドリキュールなどもこの分類に入りますヴァンドリキュールではピノーデシャラントが有名です
作り方は醸造工程中にアルコールぶん40%以上のアルコールを添加してワイン全体のアルコール文を15°から22°程度までに高めて味にコクを持たせを演じたいの保存性を高めたものです。
では何で保存性を高める必要があったかというと、生産地で消費しないで違う土地に運んで飲むためだったといわれています。時代は大航海時代のことです。その頃は当然飛行機などは無く、長距離移動は船で行われていて時間もかかっていました。環境も今とは比べ物にならないくらいの高温下の悪条件だったので、ワインが酸化したり腐敗したりするのを防ぐためにアルコール度数を高めたのが始まりです。
フレーバードワイン
フレーバードワインはワインに薬草果実甘味料エッセンスなどを加え独特な風味を与えたものです代表的なものはベルモットレッジーナリ サングリアなどがあります。日本では梅酒や養命酒がそれにあたります。
価格の違い
スティルワインやスパークリングワインの価格の違いについてですが、ぶどう栽培の規定や醸造工程の難易度や、ぶどうが作られる土地の税金などによって変わります。
EU 加盟国における品質の分類「地理的表示のあるワイン」ワインは天然のぶどうを使った飲み物であるという考え方から、ワイン栽培のために土地に水をやったりすることは禁止されています。ですのでその年の天候によってブドウの収穫量や品質が変動するので、合わせて価格も変動します。
逆に新世界と呼ばれるアルゼンチン、チリ、オーストリア、オーストラリア、ニュージーランドなどは土地に水をまくことができる(というか水をまかないと植物が育たないので)、安定してブドウが栽培できるため価格も安定しています。
だから価格が高いからといって必ずしも美味しいワインであるということではありません、好みの問題です。
ブドウは土地の養分を吸って実をつけますので土地の面積に対してブドウの収穫量が多いと養分が分散してしまうのである程度、収穫量を少なくすることによって濃いぶどうができます。
日本でのワインの定義
ワインの産地はヨーロッパですよね。そんな外国産の飲み物を日本の法律で定義しようってのが間違っていると思うのですが、アルコール飲料なので日本の法律では果実酒に分類されます。
スティルワインとスパークリングワインは酵母の働きによって、アルコール発酵させ糖分がアルコールと二酸化炭素に変化して生成される【醸造酒】。
フォーティファイドワインとフレーバードワインは、醸造酒と蒸留酒をベースに薬草スパイス果実糖分などで香味漬けをしたお酒【混成酒】に分類されます。
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